某国のEです。完全版

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未知との遭遇。

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当時の航空自衛隊の主力戦闘機「F4-EJファントム2」世界中で大活躍したかつての名機は複座式、つまり二人乗りの超音速戦闘機で「得体の知れないナニカ」を目撃したあの日も私の機にはパイロットの私の他に後部座席にナビゲーターの相棒が搭乗していた。

しかし高度10000メートルの高空で空に光りながら漂うアレを見たのは私だけで私の相棒は見ていない。本当に見ていないのかどうかは判らないのだが、彼は見ていないと言っている。そして私は酸素不足で幻を見てしまったホラ吹きパイロットの汚名を着せられてしまい2度と空へ飛び立つ機会を与えられる事はなかった。

飛べないパイロットが航空自衛隊にいる必要は無い。かくして私は除隊届けを出した。民間人となった私に組織から正式にオファーが届き私にホラ吹きパイロットの汚名を着せた「得体の知れないナニカ」を追う為私はそのオファーを快諾した。

 

某国の諜報部員コードネーム「E」の誕生である。

 

めでたく晴れて民間人となった記念に結婚もした。世間の目を欺く為に普通の会社に就職もした。そして娘が生まれ数十年後、その娘のお陰で「得体の知れないナニカ」と全面対決する事になるのだ

 

 

それはいつからかこの世に存在していて、いつの時代にも存在している。

少なくとも私が最初の母の元に生を受けた山と大河なる国の時代にもソレはすでに存在し誰にも気づかれる事なかった。ソレが果たして何者なのか?ソレが存在する理由は何なのか?その答えを持つのもまたソレ自身のみなのか。

UNKNOWN

知られざる者。

私も私の組織もソレの事をそう呼んでいる。今この世界にも確実に存在し、しかしてその存在を知らしめてはいないモノ。ただ私は見てしまったのだ。その存在を知ってしまったのだ。

あの高空の薄い大気の中、突如として私の前に現れたソレは最初は小さな光の玉のように見えた。そしてその光は大きな球体にまで膨らんで、はじけるように散って消えた。わずか数秒の出来事がものすごく長く感じられた。まるで時間が止まったような。

ただ一つだけ確実に覚えているのは、ほの白いその光の中にところどころ太陽の黒点のような斑点があった事。

あれから私は必死になってその存在を調べ始めた。科学から宗教までありとあらゆる文献をあさりソレの事を知ろうと試みたのだったが必ず核心に触れる前の時点でUNKNOWNという壁が立ちふさがり前に進めなかった。今思えばその時すでに私はソレの持つ力に「得体の知れないナニカ」に魅入られていたのかも知れない。

 

時は過ぎ、多くの同期達が定年を迎える頃ソレはまた私の前に現れたのだった。



今度のソレは猫の姿をしていた。

愛と青春の旅立ち。

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私はE。
名前ではなくただEと呼ばれる存在。母に連れられて喫茶店「時代」のマスター用田と名乗るじいさんと出会った私は義務教育が終わる頃にはある程度力をコントロールできるまでに成長していた
ただ毎回あのじいいさんに会うたびに金を払って飲まされるクソ苦いだけのコーヒーに意味があったかは、今でも疑問の残るところなのだが

中学を卒業した私に用田と名乗る老人は船乗りになる為の船員学校へ入学する事を薦めた。「手に職がつく事はとてもいい事だ」と私の家族も誰も反対するものなどいなかった。そこで私と老人の関わりは終わったように思えたのだが船員学校を終了した日。うららかな春の日差しと桜の花の色が柔らかだったあの日。修了証書を手にした私を母と共に待っていたのはやはりあの老人だった。
そしてそのまま私はある港へ連行された。そこには某国の船が止まっていた。あきらかに戦争をする為の船と言うのは一目でわかるその船の乗組員らしき男数名が私を出迎えた。なかば連れ去られるようにその船に乗せられる私に
「生きて帰れ」
老人は一言そう告げたのだった。

べ○ ナ○戦争に出撃する途中だったその船は組織の要請を受け私をかの地に送る為にあの日あの港に寄ったと後に聞かされたのだ。何も知らない私は言葉の通じないクルーと汚い船室の匂いに辟易していたのだが出航からどれくらいたっただろうか、まだ現地に着く前に私を乗せた船は撃沈されてしまう。なんとか命だけは助かったのだが捕虜として捉えられそれはもう過酷な過酷な生活をしばらく過ごす事になった私だったが一人の男との出逢いによって救われることになる。

密輸業者として捕らえられていた班と名乗る男。その男とともに一艇の高速艇を奪い日本へと帰りつくことができたのだった。

 

 

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しかし私が辿りついた町は私の生まれ育った場所とははるかに遠く、無一文だった私は班船長に誘われるままに場末の飲み屋街で流しみたいな事をギターを弾きつつ歌いながら夜毎飲み屋を渡り歩く生活を強いられた。
そんな生活も板につきつつなり始めた頃、今更のように組織のエージェントを名乗る連中が私の前に現れたのであった。用田と名乗るジジイのせいですっかり疑心暗鬼になっていた私に組織の目的と活動に私の力が必要なことを話しと言うかほぼ拉致状態のまま今度は私に自衛隊に入るよう諭したのであった。

かくして無事入隊を果たし私の底知れない人並み外れた知能指数と、もしかしたら組織の力添えもあったせいかまんまと航空自衛隊の主力戦闘機のパイロットにのしあがるまでさして時間はかからなかった。その頃の私は組織の目的や企みの事などすっかり忘れ自分の駆る戦闘機の魅力と何よりその頃付き合い始めた女性が
「私の彼はパイロット♪」
と嬉しそうに話すのがカッコよくて、いつの間にか年間のスクランブル発進回数も部隊ナンバーワンになっていた。

そしてあの日を迎える。

いつものようにスクランブル発進で基地を飛び立った私は無事任務を遂行した後の高度10000メートルの高空の中、神秘的な光を放ちながらユラユラと揺れるように彷徨う、まさにUNKNOWNとしか言いようの無い組織の言う「得体の知れないナニカ」であろう物体を見てしまったのだ。
それは今まで絵空事として片付けてしまっていた自分にある不思議な力の事は棚上げにして

「フィクションだ。でなければSFだ」
 と笑い飛ばしていた、きっと地球上では存在しない事になっている「あり得ない存在」を知ってしまったのだ。

この物語はフィクションです。
某整体師さんが綴る父上の伝承記を基にしてはいますが、それでもこの物語はくれぐれもフィクションです。実在する人物、猫、整体院はもちろん、世界中で大ヒットしたスペースオペラの登場人物とも変形する超巨大戦艦が主役のアニメとも

まったくもって関係性はございません。 

「時代」のマスター

私はE。

 名前ではなくただEと呼ばれる存在。
前回の話で語ったように私が今の世に生を受けのは3人目の母によってであった。実はこの時に不思議な現象がおこったのだ。私の中の力がフィードバックされたせいか、それとも最初の母が私に告げた私の力の使い方を教える為なのかはわからないのだが、それまで普通の女性であった筈の私の3番目の母に最初の母が持っていた力が現れたのだった。
それは普通は見えないモノが見えてしまう、これから起ることが見えてしまうサトリとか先読みとか呼ばれたりする力。

 突然そんな力を持たされてしまった私の今の世での母は家族の他の者達から虚言癖があるとか、思い込みが激しすぎるとか言われるようになり母がこの世を去った後も私の娘によって面白おかしく脚色されブログで書かれたりしてしまっているのが、そしてそれを私には否定する事が出来ないのが歯がゆくて仕方が無い。否定する話の途中でうっかり私の力の事を喋ってしまっては組織の誰かが私の娘を封じにかかるかも知れないから。記事の途中で横槍を入れられたエージェントMのように。

3番目の母の突然与えられた力のお陰か、それとも当時は平和だったこの国のせいか子どもの頃の私は力を使うことも、その必要に迫られる事も無くハッキリ言えば自分が不思議な力を持っている事さえ知ることもなく過していた。ただ学校で行われた知能テストでとてつもなく高いIQの数値を叩きだしてしまった以外は。

 そんなある日、私は母に連れられてとある場所を訪れたのだ。
薄汚れたとても営業しているとは思えないような、小さな商店街のハズレにある喫茶店。その場所で経験した、グレーというよりは「ねずみ色」といった感じのマントのようなものを羽織った小さな体の見ようによっては3頭身に見えるような、しかもその体と顔に不釣合いなほど大きな耳をもった老人との出逢いこそ私のそれからの運命を決定付け、この世に存在する不思議なナニカを追い続ける某国の諜報部員として働くことになるきっかけともなるのだった。

 喫茶店「時代」のマスター用田さんに出会はなければ、今の私はいなかったかも知れないのだ。

 

悲しみよこんにちはの替え歌。   歌/エージェントEの娘

デブ猫と三毛猫がいつのまにか仲良しなフリしてる
ヨメちゃんの他の子がサバトラ似でも
「おはよう」って言えたの

あなたに会えなくなって
エサ皿抱え泣いたけど

平気ブチ柄も顔もよく似たあなたの息子もいるし
悩んでちゃ行けない
たまに座布団って呼ばれてるけど可愛く育てて見せるわ
きっと約束よ

 

ブチ柄の野良猫を見ると今もまだパパ♪って思うけど
出会いと同じ数の別れがあるのね
あなたもうちの父も

ブログのネタにされても
私の勇気負けないで

平気
太りすぎは気になるけどあなたの息子は元気
アザラシは言いすぎ?
偶にサバトラもやって来るけど気にせず無視してみせるわ
だって約束よ。

 

私はE。
名前ではなくただEと呼ばれる存在。母に連れられて喫茶店「時代」のマスター用田と名乗るじいさんと出会った私は、それまで知らずにきた私の中に秘められた力の使い方を教わるようになるのである。
しかして私の爆発的に高いIQのせいか、2番目の母との別れの時に一度開封しかけたせいか、大した苦労も無く力を使えるようになっていた私に用田と名乗るじいさんは様々な課題を与える。平穏だった少年の時代は終わり、試練と苦悩に満ちた日々の始まりである。

中でも
「ムヤミに力を使う事を禁じる」非常事態の時以外は力を使うなという課題をまだ純真だった私は従順に守っていた。そして悲劇は起る。あれはいつだったろうか、近所を散歩してた私を突然猛烈な腹痛が襲ったのだ。我慢しきれなくなった私は思わず野○ソしてしまった。一瞬の平穏の後すぐに重大な危機に気づく。
「しまった紙を持っていない」
力さえ使えば紙を用意するくらい簡単なこと。だが腹痛から開放された私は力に頼らず、その時その場を通りかかった親戚のおじさんを頼ってしまう。

 しかも
「紙を取ってきて欲しい」
と言いたかったのを何を間違ったが
「尻を拭いて欲しい」
と言ってしまい、その後、親戚が集まる度にネタにされ蒸し返され、今になっても、その事を面白おかしく娘にブログで書かれてしまう。まさに一生の不覚とはこの事だ。

このころの事は他にも忘れてしまいたい事が山のようにあるのだが一番イヤだったのは用田と名乗るじいさんに会いに行くたび飲まされたコーヒーが不味かった事と、しかも毎回のように代金を払わされた事かも知れない。

 

この物語はフィクションです。
実在する映画、人物、猫、整体院はもちろん世界中で大ヒットしたスペースオペラの登場人物ともまったくもって関係性はございませんが原作を書いているのは某整体師さんだったりします。