某国のEです。完全版

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生い立ちの詩。

私はE。
名前ではなくただEと呼ばれる存在。

私が初めてこの世界に生を受けたのは、まだこの国が国としての形をとる前の時代で今や神話としてのみ伝承されるに留まる時代であった。人は皆それぞれ自然世界と共存し風や土の声さえも聞き分けることさえできていた。
私の最初の母の名は山と大河なる国のヒメ巫女と呼ばれていた。他の誰よりも強い力を持ち、呪術もしくは魔術と今なら呼ぶであろう力を使い政を治めていた。もうその母の顔を思い出すことはできないが、あの優しい声はすぐにでも思い出す事ができる。それには理由があるのだが。

その後、今の世界で生を受け学校で歴史の授業を受けたとき私の最初の母が今の世界では邪馬台国の卑弥呼と呼ばれている事を私は知ったのだ。

幸せな最初の母との時間は突如私の国を襲った天変地異によってあっさりと失われた。
そして2度目の母の元へ私は誘われる事になる。

が、しかし、私が2度目の母の元に生を受けた時私の母は戦火の中にいた。燃えさかる炎に包まれながら2度目の母は私を庇い続けた。まだ赤子の私は私の中の力をコントロールする術も知らずそれでも母の為に力を解放させようとした時、私の脳裏に最初の母の優しい声が聞こえてきたのだ。
「今あなたの持ちし力を解放させれば母上も父様も救われるでしょう。でも、それはなりません。あなたの力は世界に歪を生む程のものです。もう一度あなたがこの世界に呼ばれた時、次なる母なる方の下で正しく使い方を学びなさい」

薄れゆく意識の中、それでも最初の母の優しい声は私の中にしっかりと入ってきたのだった。2度目の母との記憶はまだ私が幼かったせいか殆ど無い。ただ周りの人たちが呼ぶ「しず様」と言う母の名と「くろう殿」と言う父の名はかすかに私の中に残っている。
 そして次に私が目覚めた時、今の母のとなりに私はいた。最初の母から言われた私の力の持つ意味を知るのは、それよりもずっと後の話になるのだが。理力と呼ばれる、この力を持って生まれた私だが、今の組織とそして「得体の知れないナニカ」との戦いも生まれたばかりの私にはもちろん知る由も無かったのだが。

 

特別付録その1。
これを持って倉敷に来られた愛読者の方はもれなく
同じような仕打ち(サービス)を受ける事ができます。 

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 特別付録その2。

「M先生の事情」

さっき組織の本部から連絡があったんだけどさ、私とおんなじ日本で活動中のエージェントがブログに自己紹介とか組織の事とか書きまくってるらしいじゃない。何のための諜報活動だと思ってるのかしら?しかももし組織にバレた時の為にか随分と誇張表現で組織については書いてるし。
「いったい誰の特徴が声が大きいだって!」

そりゃ蚊の鳴くようなか細い声って訳じゃないけどさ私の場合は

「声が大きいんじゃなくって声がよく通るの」

 この違いって大きいと思わない?
しかも職業旅人って何よ?自分の家にワナを張って得体の知れないナニカを観察しようとしているカールおじさんモドキと違って、私は組織の要請があれば自腹切ってまで沖縄だろうが宮島だろうがハワイだってマジメに活動してるっていうのにさ。だいたい今回あの首タオルおじさんのトコに行ったのだって沖縄で活動中に組織から応援要請があったから急遽行ってあげたっていうのにさ。あの書き様はないわよね。
「私の本職はね、ちゃんとした立派な○△□ーなんだからね!」
あれ?なんで変な伏字に変換されるの?まさか組織の横槍?それとも愛しのm○○b△△kのご機嫌が悪いの?まぁ愚痴書くだけ書いてスッキリしたし組織からもう少し様子を見るように言われたしレポートはこのくらいにしておこうかな。
そうそうEさんとやら、あんまり調子に乗って組織や私の事誇張して書いてるとまたそっちに出向いて必殺のJapanese Monja Phenomenonを炸裂させてさしあげますからね。

諜報部員の憂鬱。

防人の歌」の替え歌    歌/エージェントE

教えて下さい。
我が家の庭に集まる野良猫。
こんなにいっぱい・・・理由があるのならば・・・

ウチの娘ですか?
餌をやるからですか?
娘の書いているブログのせいですか?
すのこに釘打って睨み効かせても無駄な努力ですか?

教えて下さい。
ブチ猫家族はいったい何匹?
生まれる子猫に限りがあるのならば・・・

パパと嫁ですか?
影武者って何ですか?
どれが子どもですか?
お腹にもいますか?
私の大切な三毛猫もいつか怒ってしまいますか?

やはり娘ですか?
裏切り者ですか?
娘が餌やって寝場所もそうですか?
私の大切な三毛猫に頼んで呪ってやりましょうか・・・

 

私はE。
名前ではなくただEと呼ばれる存在。そして私がEだということを例え家族でさえ絶対に知られてはいけない存在。
そんな私に与えられた任務は亡国の諜報部員として人知れず活動すること。

実はこの国には私以外にも同じ任務を受け某国の命により活動する諜報部員が何人か存在する。もっともそれぞれが極秘任務として行動するので、お互いを知る事もなければ、お互いプロなので道ですれ違ったとしても気づく事も無いだろう。
もし、もし気づいてしまっても知らん顔をしてすれ違うのが、お互いの為だとマナーだと認識している。もちろん私はという事なのだが。

それは今年の夏の事。
事態は突然私の前でおこってしまった。最初は自宅にて整体院をしている娘の客だと、最近は菓子作りに没頭し
「いよいよケーキ屋に鞍替えか?」
とさえ心配している娘の客だと思っていた。私だって常に家にいる訳では無いので娘の整体の客の全てを把握している訳ではないが今までやってきた客とはいささか雰囲気の違う感じはしていた。
何よりも声が大きい
娘の仕事の邪魔にならんように施術室からは一番離れた部屋にいた私が、そんなに聞き耳をたてていなくても話の内容が娘の声が聞こえなくても手にとるように判るくらいだ。
何やら客人は遠く北の大地からわざわざやってきたらしい。
何を好き好んでこんな普段営業してるかどうか判らないような整体院に飛行機に乗ってまでやってくるとは余程の物好きなのか?

ふと気がつくと客人は食い入るような目つきで腹の中に得体の知れないナニカを住まわせている娘の飼い猫(ブチ柄)を見ているではないか。そして遊んでやるフリをして触診を試みようとしている。
そういえば噂に聞いたことがある。組織の中に医学に博識を持ち日本中を流離いながら得たいの知れないナニカを追う職業「旅人」の諜報部員がいるらしいと。
たしか私の記憶が確かならばその諜報部員のコードネームはMのはずだ。そう言えば娘が「マ○先生」と呼んでいたような。

その客が私の存在に気づいていたかどうかは判らない。もちろん私も確認するような無粋なマネをするはずも無く娘の施術を受けまた旅立った。

そういう事にしておこう。

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撮影:エージェントM/某整体院にて。

 

諜報部員。
ちなみに皆さんはこの言葉を聞いてどんな仕事を想像されるだろうか?巷では最新作が公開されつつある(2011年当時)昔から変わらぬキャッチーなテーマソングが魅力の「なんとかインポッシブル」とか言う映画の、あっちやこっちでドッカンドッカンな感じを思い浮かべるだろうか。ただ私に言わせればアレは邪道だ。あんなにもドッカンドッカンしていてはご近所どころか世界中の皆さまにさえ存在がしられてしまう。
あくまで密かに世間に気づかれない存在として活動してこそ諜報部員としての本来のあり方だ。例え任務で腹ペコで帰宅してもブログで娘に「家中の食い物を食べつくす鬼」のような書かれ方をしたとしても
正体だけはバレテはいけない。

それにしても私はいつからこんな存在になってしまったのだろう。少なくても子どもの頃の私は普通のどこにでもいる素朴な少年だったハズだ。両親の愛につつまれ幸せな日々を送っていたハズだ。どこで道が別れてしまったのだろう?

イヤ本当は私は知っているのだ。私の持つ力。生まれた時より持っているこの力のせいなのだ。本来はこの世では発揮されてはならないこの力のせいなのだ。カップヌードルを食べる時にヤカンを頭の上に持ち上げる緑色の老人の持つ力とも、まったく違う力ではあるのだが。

皆さんに私の生い立ちを知っていただく前に、これだけは書いておきたかった。まだ周りの世界が平和だと信じていたあの日の私は、空き地で眺めた夕陽に今のような未来を決して映してはいなかったと。

 

この物語はフィクションです。
実在する映画、CM、人物、猫、整体院とは、まったくもって関係性はございません。
が、原作を書いていたのは某整体師さんだったりします。

 

プロローグ

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私はE。

名前でも苗字でもなくただEと呼ばれる存在。もちろん常日頃ずっとEな訳ではなく

限られた時間、限られた場所でのみEと呼ばれそれ以上でも以下でもなくなる。

私がEと呼ばれる存在であることを知る者はかなり少ない。

私をEとした組織のその中の限られた人にしか知られず、それ以外の者には決して知られてはいけない存在。

 普段は普通のなんの変哲も無い日本男児として裸に首タオルで畑に精を出し、たまに蛇を捕まえるのが趣味などこにでもいる普通のお父さんだ。

妻も娘も何より私の最愛の三毛猫にさえも私がEと呼ばれる存在である事は決してもらしてはならない。たまに、ごくたまにEとして活動している所を娘に見られかけ誤魔化した様をウチの父は変わっていると娘のブログに書かれたりもしたが

本来の目的と私がEと呼ばれる存在である事はどうやらバレずに済んでいるようだ。組織以外で私をEと知った者は如何にかかわらず人知れず処理しなければならない。

 

そう、例え実の娘であっても。

 

それにしても私はいつからこんな存在になってしまったのだろう?家族にも愛猫にも嘘を突き通さなければならないのは本当はとてもツライ。

故にこのインターネットと言う誰からも知られる代わりに誰からも偽れる媒体を使って、こうして愚痴の一つでも書いてみたくなった私をいったい誰が責められようか?

 

私はE。

私が所属する組織からEと呼ばれる存在。果たしてその正体は、某国の諜報部員として人知れず活動するカールおじさんによく似たナイスガイ。いやここはナイスミドルとしておこうか。

 

登場人物紹介

  亡国の諜報部員。本編の主人公である。

本人曰くカールおじさんによく似たナイスミドルらしい。

猫(三毛柄)  Eの愛猫。とてもとても可愛いらしい。

猫(ブチ柄)  Eの娘の飼い猫。腹部に得体の知れないナニカと呼ばれる生命体を収納しているらしい。

  Eの実の娘。E曰くやっているのかどうかも怪しい整体院と超絶大人気の菓子屋をしているという噂。

得体の知れないナニカ  Eの所属する某国が総力を上げて存在解明をしているモノ。UNKNOWNとの事。

  某国の諜報部員。医学に通ずるわりに職業「旅人」らしい。一部ではマ○先生とか呼ばれているらしい。声が大きい。

 

私はE。

名前ではなくただEと呼ばれる存在。そして私がEだということを例え家族でさえ絶対に知られてはいけない存在。

そんな私に与えられた任務は某国の諜報部員として人知れず活動すること。目下私は緊急の優先事項として、ある者達の調査および実態解明にあたっている。

その者たちとは何か?

 

彼らはこの私と同じように、この世界の中で人知れず活動していて私の雇い主でもある某国にとっても決して無視できない存在として認識されている。

団体でもなくしかして個体でもない。それらはすべてUNKONWN。「得体の知れないナニカ」と呼ばれている。

 

去年の夏の事。

私はその「ナニカ」の一部ではないかと思われるブチ柄の生体と対決する事になった。偶然私の前に現れたその「ナニカ」は、私の想像を超える知的な力と運動能力を有していた。私が組織でそしてその前に属していた日本の自衛隊というところで身につけたトラップさえ、いとも簡単に乗り越え私の家に侵入さえしようとした。

それから私とブチ柄の生体は一年という長きに渡って英知を競う事になる。そして、その知的能力や運動能力をやっと分析できそうになったとも思えた今年の夏。

私が彼を調査していたのを見越したかのように、突然ヤツは私の前から姿を消した

が、しかし姿を消したと見えたその「ナニカ」は今も私の周りに存在している。私の娘の飼い猫の腹部に巣くい、私の大切な大切な三毛猫に手をだそうと目論んでいるようだ。これだけは私の命に代えても守らねばならない。

それが私のEとしての存在理由でもある。

 

私はE。

得体の知れないナニカと呼ばれる存在と日夜戦い続ける事もある、彼ら同様知られざる者として存在する。

 

この物語はフィクションです。

実在の人物・団体等とは一切(多分、きっと)関係がございません。